初めて重要なデザインや作品を印刷し、印刷会社にデータを渡すときに「塗り足しサイズ(出血)」を設定したかどうか尋ねられて戸惑ったことはありませんか?「出血」とは何か?サイズはどう決めるのか?印刷の基本を理解したい方のために、この記事ではその重要性を詳しく解説し、初めての印刷を失敗しないための知識をお届けします。
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Toggle出血とは?出血サイズと印刷の関係とは?印刷出血の基本概念
出血とは、印刷物の裁断ズレによる白フチを防ぐために、仕上がりサイズより外側に設ける余白部分のことを指します。通常は上下左右に各3mm設定します。
より正確には、「出血」とは印刷する原稿の上下左右の端に設ける「切り落とされる部分」のことを意味します。印刷においては、原稿の背景色や画像をこの出血範囲まで延ばしておくことで、裁断後に白いフチが出るのを防ぎます。一般的に、出血サイズの標準値は3mmで、仕上がりサイズの周囲に各3mmを追加することで、裁断後の仕上がりが意図したサイズとずれることを防ぎます。
このように、印刷データを作成する際に出血を設ける主な目的は以下の3つです:
・仕上がりに白フチが出るのを防ぐ
・重要な情報が裁断されるのを防ぐ
・仕上がりサイズと設定が一致しないリスクを防ぐ
出血サイズ設定4ステップのガイド
印刷用データを作成する際に、正しく出血サイズ(通常3mm)を設定すれば、白フチの問題を回避できます。ここでは、Illustratorを例にとり、4つの簡単なステップで出血サイズを設定する方法をご紹介します。
STEP 1:ファイルを開く
ソフトを起動し、新しいドキュメントを作成します。
STEP 2:ページサイズを設定
「幅」と「高さ」の項目に、仕上がりサイズを入力します。
STEP 3:出血サイズを設定
「出血」の欄の「上」「下」「左」「右」にそれぞれ3mmを入力し、右下の「OK」をクリックします。
STEP 4:ガイド線を表示設定
「OK」をクリックすると白いページが表示されます。このページの黒い背景部分を右クリックして、「ガイドを表示」を選択すると、白枠の外側に赤い枠が現れ、これが設定された出血範囲です。設定後は、背景画像や色を出血範囲まで広げて配置するようにしてください。そうしないと、仕上がりで白い部分が出てしまいます。
出血サイズ設定時の4つの注意点
上記の手順に加え、以下のポイントにも注意しましょう。
正しいサイズと出血値の設定を忘れずに
最初から出血を含むテンプレートを使用するのが理想です。以下は代表的なサイズの出血範囲の計算例です:
仕上がりサイズ | 四辺の出血サイズ | 出血込みサイズ |
---|---|---|
A4 | 3mm | 216 x 303mm |
A5 | 3mm | 156 x 216mm |
A6 | 3mm | 106 x 156mm |
名刺 | 3mm | 96 x 61mm |
重要な情報を端に寄せない
出血があっても、裁断には誤差がつきものです。大事なテキストやロゴは、裁断線から5mm程度内側に配置してください。
解像度とカラーモードの設定を忘れずに
出血以外にも、画像の解像度とカラーモードも適切に設定する必要があります。解像度は300dpi、カラーモードは印刷用のCMYKを選びましょう。
💡ワンポイント:RGBは画面表示用の色であり、印刷には適していません。
印刷会社との丁寧なコミュニケーションを
印刷前には、細かな仕様や要望について印刷会社としっかり話し合っておくことが重要です。不安がある場合は、事前に相談すればプロの視点からアドバイスがもらえる場合もあります。
印刷出血サイズに関するよくある質問
Q1:出血サイズは必ず3mmでないといけませんか?
通常は3mmが標準ですが、印刷方法や仕上がりによって調整が可能です。3mm未満だと白フチが出る可能性が高まり、外観・品質・サイズに影響が出ます。
Q2:カラーモードや解像度の設定ミスはどうなる?
CMYKモードと300dpiが推奨です。RGBのまま印刷すると、仕上がりが想定と異なり、色の違いや不自然さが出る可能性があります。解像度が低いと、画像がぼやけたりモザイク状になったりする恐れがあります。
ビジネスダイアリー印刷やカスタムノート制作のポイント
ビジネスダイアリーやカスタムノート制作に興味があるけれど、どこから始めればよいかわからない方もご安心ください。以下のポイントを押さえれば簡単に始められます。
・ビジネスダイアリー:ノート全般やカスタマイズノートの制作は、ビジネスダイアリー印刷の一部です。細かな仕様が多いため、制作時にはしっかりとした打ち合わせが重要です。おすすめの仕様や詳細説明をぜひ参考にしてください。
・サイズ選び:もっとも多く寄せられる質問のひとつです。用途に合ったサイズを選ぶには、サイズ一覧を参考にすれば簡単に確認できます。さらに詳しく知りたい方は、用紙サイズの解説もご参照ください。
以上の内容で、出血サイズの重要性と印刷データ作成時の注意点が理解できたかと思います。印刷にまだ不安がある方は、以下の記事もぜひご参照ください:
「印刷と用紙の基本単位・専門用語とは?」— 印刷の基礎知識を丁寧にご紹介します。