四色印刷とは何ですか?また、一台とは何ですか?
印刷および製本の過程では、多くの単位や専門用語が使われており、混乱を招くことがよくあります。以下に、業界で一般的に使われている単位と用語をまとめました。これを理解すれば、業者とのコミュニケーションがスムーズになり、理想的な印刷物を制作できます。
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Toggle印刷でよく使われる単位と専門用語
1.ポイント(Point、略してpt)
定義:ポイントはサイズ単位で、主に文字の大きさに使用されます。1インチは72ポイントに相当します。
使用方法:フォントサイズ、行間、レイアウトデザインでの間隔指定に使われます。
2.インチ(Inch、略してin)
定義:インチはヤード・ポンド法の長さ単位で、1インチは1/12フィート、約2.54センチです。印刷物の幅、高さ、マージンの測定に使われます。
使用方法:印刷物のサイズ指定に用いられ、例えば標準的なLetterサイズの用紙は8.5×11インチです。
3.センチメートル(centimeters、略してcm)
定義:センチメートルはメートル法の長さ単位で、1メートルの100分の1に相当します。ミリメートルより大きい一般的な単位です。
使用方法:Illustratorでの印刷物のサイズ設定によく使われます。
4.ミリメートル(millimeter、略してmm)
定義:ミリメートルはメートル法の長さ単位で、1メートルの1000分の1です。
使用方法:Illustratorでの印刷サイズ指定に一般的で、最も小さい長さ単位のため、細かいレイアウト設計に最適です。
5.CMYK
定義:CMYKはシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、キー(Key/黒)の略で、印刷における色表現の方式です。
使用方法:印刷ではすべての色がCMYKの組み合わせで表現され、数値を調整することでさまざまな色合いが再現されます。
6.仕上がりサイズ(Trim Size)
定義:最終的に裁断された印刷物の完成サイズのことです。
使用方法:デザイン段階で仕上がりサイズを指定し、レイアウトや画像の正確な位置調整に用います。
7.DPI(Dots Per Inch)
定義:DPIは印刷やスキャンでよく使われる用語で、1インチあたりのドット密度を示します。
使用方法:印刷における解像度を示す単位で、高DPIは高精細な印刷品質を意味します。より多くのドットで画像が再現され、より滑らかな仕上がりになります。
8.PPI(Pixels Per Inch)
定義:PPIはデジタル画像におけるピクセル密度を示します。
使用方法:ウェブデザインでは画像の表示精度を左右する重要な要素で、高PPIは精細な表示、低PPIは荒く見える傾向があります。
用紙に関する単位と専門用語
印刷・出版分野では、用紙サイズは標準化された単位で表されます。以下はよく使われるものです。
1.Aシリーズ
Aシリーズは国際標準(ISO)に基づく用紙サイズで、A0が最大サイズで、A1、A2、A3、A4と半分ずつ縮小されます。
各用紙サイズは前のサイズの半分で構成されています。たとえばA4はA3の半分、A5はA4の半分です。
書類の印刷にはA4やA5が一般的で、書籍、マニュアル、雑誌制作にもよく使われます。
2.Bシリーズ
BシリーズもISO規格に準じており、B0が最大、B1、B2、B3、B4と順に小さくなります。
BシリーズはAシリーズの中間サイズで、レイアウトや印刷に便利です。
ポスター、美術用紙、商業広告などに多く用いられます。また、B5は一般的な印刷用紙サイズでもあります。
3.Cシリーズ
Cシリーズは主に封筒の製作に用いられ、Aシリーズの用紙と対応しています。
例:A4の用紙にはC4封筒、A5に折って入れるならC5封筒が適しています。
4.一枚
定義:一枚の紙には表と裏があり、例えば本が80枚あれば160ページとなります。
5.一ページ
定義:ページとは本や書類の基本単位で、特定のページ番号を指す際に使われます。例:教科書の64ページを開く。
6.一面
定義:紙の片面を指し、レイアウト構成を説明する際に使われます。「ページ」と同義で使われることもあります。例:2ページ=第2面。
7.一条
定義:長さの単位で、紙の厚さや精密測定に使われます。1条=0.01mm。一般的な80g上質紙は約9.5条です。
8.一束
定義:平判紙の包装単位。紙の厚みによって枚数が異なり、100枚・200枚・300枚などがあります。
9.一令
定義:一令は500枚の平判紙を指します。1令=500枚。
10.一箱
定義:名刺の梱包単位で、1箱=約100枚が一般的です。
11.千車
定義:印刷枚数を示す業界用語で、印刷物を千単位で数えます。例:2千車=同じ内容を2000枚印刷。
12.四色
定義:CMYKの四色印刷。1色印刷は黒インクのみ、2色は2色、4色はフルカラー印刷を意味します。
13.一台(印刷)
定義:大判用紙1枚を印刷するごとに「一台」と数えます。大判用紙のサイズと印刷物のサイズによって一台で印刷できる面数が異なります。
14.一台(製本)
定義:大判用紙を折って構成される単位を指します。例:A5ノートは菊判用紙を折ると1台=16枚=32ページ。B5ノートでは1台=8枚=16ページ。
📖 詳しくはこちら:製本方法にはどんな種類がある?リング製本とその他の一般的な製本方法を徹底解説
印刷と後加工における一般的な問題
1.裏写り
定義:印刷された内容が紙の裏側に透けて見える現象。インクが濃すぎる、または紙が不適切な場合に発生。
対策:インクの濃度調整または適した紙材の使用。
2.透け
定義:前後の印刷が互いに見える状態。紙が薄すぎるか、インクが不適切な場合に起こる。
対策:厚手の紙を使用する、または適切なインクを選ぶ。
3.スジ
定義:印刷時にインクが線状の跡を残す。印刷速度が速すぎる、インクの粘度が高い、機械の整備不足が原因。
対策:印刷速度やインクの粘度を調整し、機械の定期清掃を行う。
4.紙粉
定義:印刷物に小さな紙のくずが付着する。紙の品質が低い、または機械が清潔でない場合に発生。
対策:高品質な紙を使用するか、事前に空刷りして紙粉を除去する。紙粉が多い場合は紙のロットを変更する。
5.ムラ
定義:印刷物の色が均一でない。インク供給の問題、インクの沈殿、機械の不具合などが原因。
対策:印刷技師による機械点検、試し刷りで均一化後に本紙へ切り替え。
6.割れ
定義:厚くて繊維が短い紙で、型抜きや折り加工時に芯の繊維が露出する。
対策:紙の繊維方向を確認し、最適な方向で印刷を行う。型抜きは箔押し後に行うとよい。
7.カスレ
定義:白地部分がまだらに見える現象で、色が薄く不均一に見える。
対策:インクの濃度と分布を調整し、試し刷りで均一化してから本番用紙へ変更する。
8.粉残り(バリ)
定義:印刷物に不規則な粒状の盛り上がりが現れる。スプレーパウダーの使いすぎが原因。
対策:機械を清掃し、スプレーパウダーの量を調整する。
9.黄ばみ
定義:印刷物が時間の経過とともに黄色く変色する現象。
対策:耐光性・耐酸化性のある無酸紙を使用する。保管環境は乾燥させ、直射日光を避ける。
10.波打ち
定義:印刷物が波状に変形する。製本時の接着剤の水分が原因で発生。
対策:接着剤の水分を抑え、製品を乾燥させる。
11.紙目(シスコウ)
定義:抄紙時に紙パルプの繊維が一定方向に揃うこと。
紙目は印刷品質や後加工の加工性に影響する。不適切に使用すると印刷面が乱れたり、折り加工に支障を来す。
対策:デザインや印刷前に紙目の方向を印刷会社と確認し、最終製品の特性に合った選択を行う。